第24章 繋がること

「ふざけたことって何を「皆だって考えたかもしれないけど、“それ”はダメだって分かってんでしょ？…何一番辛いこと押し付けようとしてるんだよ」！？そ、そんなつもりじゃ…！」

『ま、待ってカルマ、落ち着いて！！渚君何もしてないから…ね？一回冷静になって…』

「冷静だよ俺は。焦ってんのは渚君の方だろ…蝶だって、分かってるんじゃないの？今なんで渚君が蝶の方を向いたのか」

『…いいよ、そんなことのために怒らなくて…仕方ないことだって世の中いっぱいあ「俺、蝶のそういう所だけは嫌いだわ」え…？』

ちょっ、待てよカルマ！！
言い過ぎだろ！？

なんて言葉が聞こえてくる。
けれど、それもなんだかどこか遠くて。

思えば今まで、どんな事があっても彼から拒絶されたことは一度もなかったから。
当たり前になっていて分からなかった…彼の優しさに甘えすぎていた。

『き、ら…っ…？』

「うん、嫌い。…蝶が優しいってことなんか嫌ってほどに知ってるよ……だからこそその優しさが嫌い」

『…な、……え…ぁ…っ…』

震えのせいか、恐怖からか…
声が出せないし、意思も持てない。
思考回路が働かない。

初めて出来た、親友。
私の事を受け入れてくれた、初めての。

だからこそ、彼が私にこの言葉を敢えて使ってくるだなんて思わなかった。
そこまで頭にきているだなんて、思いもしなかった。

「…話戻すけどさ、渚君？」

カルマが渚君の方へ歩みを進めて、目の前でしゃがみこんで蔑むように彼を見る。

「蝶に…何を頼もうとしたの？言ってみろよ」

「…ｯ！頼もうとなんかしてな「あのまま俺が殴らなくてもその保証があんの？」！！！」

「分かってんだろ？あの子が俺等から頼まれたら…断りきれないようなバカ善人だって！！…っ、この中の誰かがそんな助けの求め方をしたら、自分の気持ちを殺してでもそれを叶えようと動いちゃうって！！実現できちゃうって！！！」

珍しすぎるカルマの怒鳴り声に、また思考が停止した。

何、それ。
なんでカルマが怒るの？…なんで、そんなことで怒っちゃうの？

血相変えて、友達の胸倉まで掴んで、今にも殺しそうな目を向けて。

「…そんなこと、考えてない……」

「そんなことって何だよ！？分かってるんだろ！？考えちゃったんだろ！！？蝶がいれば何とかできるんじゃないかって！！！」

「「「！！！！」」」