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第24章 繋がること


浅野さんにはどこまで説明しようかと悩んでいたのだが、そんな必要はなく、ただ分かりましたと承諾された。
それから、おめでとうございます、やっとですか中原さん、なんて冗談交じりに言われたりして。

探偵社の方では国木田さんや谷崎さん、敦さんあたりの意識がおかしくなっていたのだが、深く考えなくていいと女性陣に促され、社長からも了承をいただけた。

トウェインさんやルーシーさんからもすぐに祝福するような言葉をもらえた。

まあ、反対する人はといえば…

「…苗字に可愛げが無いよね、苗字に。苗字にだけ蛞蝓が乗り移ってきちゃったよね」

「失礼な野郎だなどこまでも本当に…!」

「まっ、蝶ちゃんが幸せならそれで全然構わないのだけど?蝶ちゃんが幸せな分に関してはいいのだけど??………蝶ちゃん、やっぱりこんな奴やめて太宰にならないかい?」

「人のを口説いてんじゃねえよ!!!」

『太宰さんはお兄さんでしょう?それなら、中原おさ「「それだけはやめてくれお願いだ」」本当、こういう時だけ息ぴったりですよね』

暫くはこのネタで言い聞かせそうだな。

____

「って色々とあったが、事情は知れてっし大丈夫だ」

「よ、よく学校の理事長がOKしましたねそれ…な、何はともあれおめでとうございます…!!俺達も同じ気持ちですよ!!」

「というか確かに、考えてみれば結婚してない方がおかしいような状態でしたもんね…婚約状態みたいなものでしたし」

「中也さんに何かされたらいつでも逃げてこいよ?」

「ちょっと待て立原、手前なんでいきなりそんなこ『分かった』って蝶!!?」

冗談なのに。
本当、面白い。

ああ、でも初めてだなあ…誰かの苗字を貰うだなんて。
今まで私は、良くも悪くも白石だったから。

こんな風に言ってもらえたのは、初めてだから。

とんでもないクリスマスプレゼントになっちゃったけれど、この年齢の体でそれが出来るのは、ある意味私の体質があってこそなのだと思う。

贈り物が渡されてから四人が退室し、中也がくるりとこちらを向いた。

「照れすぎ…」

『…日本、で…こんな年の体で結婚、とか……言われるって、思わなくて』

「…まあ、少し味気ない感じはするな?…朝まで、どうですか?お嬢さん」

『!……嫌いじゃ、ないです。そういうの…』

中原蝶、十五才…大事な人が、更に大事になりました。
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