• テキストサイズ

Replay

第12章 夏の思い出


「仲間だったって…俺があいつを打とうとしたとでも?」

『演技が下手なソラさんがあんなに怯えた表情してたんです、私には隠せませんよ……さっき狙ったの、ソラさんですよね?まさか中也さんがあの場で入ってくるとは、思ってなかったんですよね?』

「面白いことを仰る、どうしてそのようなことが『中也さんに物理攻撃が効かないなんて知っていたでしょう?調べて分かっていたはずですよね』…」

私の足止めを狙うのであれば、中也さんを攻略した方がリスクが低い。
それに私に比べると比較的情報も多く、やはり仕事上能力はどうしてもバレてしまう。

中也さんに後ろ手で捕まったまま、カイさんは少し黙り込んで、また口を開いた。

「何故分かったんです?俺があそこで…矢を射ようとしたのが。矢だと分かっていたから貴女は急所を外すように幹部とソラを庇った。並大抵のスキルじゃあない」

『そんなのは私が並大抵の人間じゃあないからでしょう?ポートマフィア、甘く見ないでください』

「………かなりの猛毒を盛ってあったはずなのですが?」

『まあ、私は毒の抗体を持ってまして…言っておきますけど、毒は正直あまり意味が無いですよ。私をどうにかするのが目的なら、毒は使わない事をお勧めします』

中也さんが目を見開いて何かを言いそうになったのだけれど、それでもカイさんを睨み続けた。
別にソラさんが心配だったわけじゃあないし、こういう業界じゃよくある事だ、仕方がない。

けれど、今回は私の足止めが目的なはず。
同じ仕事をしている中で、私をどうにかするためでもなく勝手な仲間割れで巻き込まれてはたまったものじゃない。

『私が怒ってるの、どうしてか分かってます…?』

「?…確かに貴女は頭も切れるようですし、ソラの事を良くは思っていなかったでしょう。仲間がどうだとかいう馴れ合いの話でしょ____ッ、グッッ!?……カ、ッ…ハ、ハァ…は、っ……」

突然カイさんの体から力が抜け、痙攣したようにもがき始める。

「ちょ、どうし…何?持病の発作か何か?様子が…」

少ししてからそれが収まったのか、冷や汗を流しながら深呼吸をするカイさん。
カルマ君と中也さんも何が起こったのかは分かっていないらしい。

『…変なこと言わないで下さいよ、そんな甘い事言いませんて……カルマ君、ありがとう。ごめんね、多分ここから見ない方がいいと思う』
/ 2703ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp