• テキストサイズ

【テニプリ】純白のアネモネ

第1章 イングリッシュラベンダー



「(最近、スキンシップが多い気がする)」

私の首元にグリグリと頭を押し付けるクラウザー。

頭を撫でながら。

〈なんか、あったでしょう〉

ビクッとクラウザーが肩を揺らす。

大体ハグしてくる時は、なんかある時だもん。

さっきまでグリグリ頭を押し付けていたクラウザーが頭を上げた。

ウルウルと瞳を潤ませながら。

「(あ、ヤバ。超可愛い)」

〈フウカ、何処にも行かないよね!?〉

〈?何処って何処に?〉

〈僕、聞いちゃったんだ。フウカのパパが〈そろそろ何処かに移動させられそうだ〉って〉

〈何、盗み聞きしてんの!?〉

〈通りかかった時に言ってたの!!〉

〈まぁ、言ってたんなら、どっかに行くな〉

〈!!〉

〈ちょっ、何泣いてんの!?〉

ボロボロ涙を流すクラウザー。

〈だって、だって!〉

風華は、クラウザーの涙を手で拭う。

〈泣かないの、男の子でしょうが。それに、私と永遠の別れじゃあないんだから、また、何処かで会うよ〉

〈でも…〉

〈クラウザーが私に会いたいって、強く願えば、私と必ず出会える〉

クラウザーの両頬に両手出挟む。

〈そう思ったら、寂しくないでしょう?〉

〈大丈夫、クラウザーなら。クラウザーは、強いんだから〉

〈うん!〉

ギューッっとハグする。

「(絶対、クラウザーは、強くなるよ。私が保証する)」

その2週間後、クラウザーが私に言っていた様に、また、違う場所へ移動になった。

〈フウカ〜〉

〈って、また、泣いてるし〉

ボロボロと涙を流すクラウザー。

〈全く、本当、泣き虫〉

びょーんと、ほっぺたを引っ張る。

〈ひたい〉

〈次、会うときまで、その泣き虫は、治しておきなさいね〉

〈うん〉

ギューッっとハグする。

〈じゃあね、クラウザー。次、会う日まで〉

手を振り、クラウザーと別れた。




/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp