第1章 神威島の秋
神威島に秋が来た。
外は涼しく、木から紅葉が顔を出していて、地面には落ち葉が沢山落ちている。
(もう秋か)
金髪碧眼の美少女、否、美少年・星原ヒカルは木を見上げてそう思った。彼は学校へ登校する途中だった。
何ヵ月もウォータイムをやっていたせいか、季節のことなんて忘れていたのだ。
そんな時、ヒカルを呼ぶ声と足音が聞こえる。
(またか)
ヒカルはため息を吐く。振り返るまでもない、何故ならその正体は
「ヒカルゥゥ!!何で起こしてくれなかったんだよ!?」
「僕は君のお母さんじゃない。それに、一人で起きれるだろ」
「いいじゃないか!!同じ部屋同士なんだし!!」
瀬名アラタ。彼は神威統合学園では一目置かれている存在だ。神威統合学園の最強LBXプレイヤー・法条ムラクを倒したのだ。ヒカルとは、同じ仮想国の仲間である。
だが普段の彼はマイペースで廊下を走ったりなどして、よくある小学生のような存在である。