• テキストサイズ

僕の視線の先に

第15章 僕たちの行方





朗読劇か。



それも、2月後半。あとひと月半しかない。
まぁ、よくそんな近々にイベントやるな…。



この季節、雪が多いこの地域は
比較的都会な隣街でさえ、客足が少ない。
何かやらない事には、集客は見込めない。




『ユウスケ先輩と一緒に参加したい。』



稲葉を始め、みんなの強い希望で、
僕は、断れない雰囲気だった。

いや、むしろ、やりたい、と
思っているのかも。
もう、頭の中で、劇の構成を
考えている。



「『コクリコ坂』をやりたい、と思っています。」



稲葉は、あのアニメ映画の
オリジナルをやりたい、と。
構成は、まだ考えていないらしい。



「そこは、ユウスケ先輩に。」



ニカッと、笑い、押し付けられた。






さて。
どのようにするか。



「ひとまず、図書館に行くか。」




僕は、学校を足早に後にして、
駅裏にある、図書館に向かった。


まずは、映画も観ないとな。
実は観てないんだよな。





図書館で、小説版コクリコ坂と、
太平洋戦争に関する資料を集め、
駅前のレンタルDVD屋で、
コクリコ坂のDVDを借りて来た。



「よし。」



稲葉と部員達との、最後の芝居。
自分が、朗読なんて
思ってもいなかったけど、
意気込んでいる自分がいる。


/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp