• テキストサイズ

僕の視線の先に

第12章 初雪





「うぅ~、さみぃな。」


ケイタが身体を小さくして
教室に入ってきた。



「今日、雪降るらしいぜ。」




今年は、いつもより初雪が遅い。
ま、その方がいいんだけど。
僕の家は、学校までも、駅までも遠い。
だから、学校帰りに、母さんから買い物を毎日頼まれる。
電車通勤の父さんも例外ではない。




「それはそうとさ…。」


ケイタが僕に顔を近づける。



「ナナミ、こっち戻ってくるんだってぇ?」


ニヤニヤしている。



「…何だよ、ケイタ。」



僕はケイタに、ナナミの事は
話していなかった。
改まって言う事もないし、
タイミングがわからなかった。



「ナナミと連絡取ってるんだろ?」



「…付き合っている…」



僕は顔を伏せてしまった。





「そうかー、それは良かった。ナナミの6年間の想いが報われたな。」



「え、ろ、6年!?」



「え、知らねぇの??」




知らなかった…
何だか、申し訳なく思ったよ。







/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp