• テキストサイズ

僕の視線の先に

第6章 夏の思い出




母さんに頼まれ
駅前の商店街に来ていた。



「他、何か買うものある?」



スマホを切り、商店街を歩き始めた。




商店街は、もう時期始まる
お祭りの準備で、忙しそうだ。
商店街の先に、小高い山があり、
長い階段を上がったら、神社がある。
ここは参道に続いている。



掲示板に、
夏祭りのポスターが貼られていた。



いつの日かの夏祭りが蘇った。















「ユウスケ~」



「大きな声出すなよ。」




「だってさ。嬉しいじゃん。ユウスケと夜遊べるなんてさ!」



「たかがお祭りじゃん。」




「中学生はさ、お祭りとかしか、夜遊び出来ないだろ?」




ご機嫌なケイタは
肩に手を回してきた。




「今日はさ、クラスの女子、浴衣で来る、ってよ♪」



あぁ、そういう訳ね。




商店街から続く参道の横に
いくつか夜店が出ている。
神社の境内周りにも
お店は出ているが、
中学男子の食欲は
待ちきれない。



「もう男子、食べてるの?」




クラスの女子達だ。
まだよく顔を覚えていない。




「花よりだんごだよ(笑)」


ケイタは、お好み焼きを頬張りながら
女子に囲まれていた。




「ユウスケ。」


少し離れていた僕の横に
ぬくもりを感じた。



「…コンチワ」



「こんばんは、でしょ?って、声ちっちゃ(笑)」




中学に入ってから、クラスが少ないから、
ずっと一緒だったカナだ。
3年間一緒だったが、いつも制服か
ジャージ姿しか見ていない。



珍しく髪を上げて
薄く唇が染まってる。
お風呂上がりなのか
シャンプーのにおい。
白い肌に藍色の浴衣。
大人っぽく見える。




「さ、神社の方に上がろうよ!」



ケイタは、クラスの女子達と
先に行ってしまった。
カナは僕の手を引っ張った。




僕の中の、何かが、トクン…ッと鳴った。






/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp