第17章 僕達の一歩
ナナから連絡が来た。
『合格しました。また後で連絡します。』
ケイタの事で、ナナもひどく落ち込んでいた。詳細はとても話せなかったが、食欲がない日が何日か続いた。
眠れない時は、眠るまで、電話で話をした。
…良かった。合格して。
駅まで迎えに行くか。
今日は、母さんが、みんなでご飯を食べよう、と朝から準備をしている。
ピロン…
カナからのLINEだ。
『ナナ、受かった、ってね。良かったね。』
一足先に、カナも合格をして、今は休日の時は、守山先生のとこに行っている。
『ありがとう。』
僕は、カナに短い一言を送った。
カナは、守山先生のいる地元の大学に、スポーツ推薦で合格している。
「私、全日本代表を目指す。」
僕は驚きはしない。
中学の時から、クラブチームに所属して、
高校では、インターハイにも、春高にも行っている。
雑誌やテレビの取材も受けていた。
見た目も華やかな顔立ちだから、なおさらだ。
「僕はいつだって応援してるよ。」
「ケイタの分まで、頑張るよ。」
…うん。お互いに、舞台は違うけど、
頑張ろう。ケイタの分も。