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雪の華【気象系BL小説】

第16章 Bird Cage


ー智sideー


翔『ぐすっ…ふ…智くん…』


「翔くん…泣かないで…」


電話の向こうから聞こえる翔くんの声は…酷く動揺して泣きじゃくっていた。


翔『智くん…俺ここから出られない…』


「うん…」


翔『やっぱり俺…智くんの側に居るべきだった…』


「翔くん…」


翔『だって…父さんがそんな事するなんて…』


「………それだけ…君を愛してるんだ。大切な息子なんだよ」


翔『そんな事…』


「翔くん…おいらの言う事を聞いて?」


翔『え…?』


「暫くは…そこに居て」


翔『どうして…』


「おいらが必ず迎えに行く。だからそれまで…そこに居て」


翔『智くん…』


「今度は…遠慮しない。君をさらう覚悟で行くから。信じて」


翔『………待ってる。必ず迎えに来て?』


「迎えに行くよ。お姫様」


翔『姫って…』


くすっと笑う声が聞こえる。


「………愛してるよ翔くん」


翔『うん。俺も…愛してる』


「何かあったら…影山さんに伝えて。彼は…おいら達の味方だから」


翔『うん』


「じゃあ…おやすみ」


翔『………おやすみなさい』


そして…おいらは電話を切った。


迎えに行くと約束した。
でもまず…カタをつけなきゃならない事がある。


潤が動き出したと…二宮から連絡があった。
絶対直ぐに何かをやるに違いない。


父ちゃんと話さなきゃいけない。


おいらは決意を固めて拳を握り締めた。
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