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雪の華【気象系BL小説】

第16章 Bird Cage


ー翔sideー


影山「翔様。お茶でもどうぞ」


「………ありがと…」


ベランダでぼんやりと景色を眺めてると…影山が部屋に入って来た。


影山「お食事は本当に宜しかったのでございますか?おにぎりやパンで宜しければご用意いたしますが」


「食欲ないんだ。ありがとう。お茶だけもらうよ」


影山「お召し上がりになられたい時にはいつでもお呼び下さい」


「ありがとう影山」


朝…父さんに「外に出さない」と言われてから…本当に一歩も外に出る事は無かった。


屋敷の中は自由に出来るけど…そこから外へは出られない。
まるで…屋敷が鳥籠になったみたいだ。


影山「翔様」


「ん?」


影山「大野様と…お話になられたいですか」


「したいよ。でも携帯も解約されたし…どうしたらいいか…」


一筋溢れる涙を拭った。


智くんに会いたい…。せめて…声が聞きたい。


影山「少々お待ちを」


すると影山がポケットから携帯を取り出し、どこかへ電話を掛けた。


影山「もしもし。影山でございます。ええ。では翔様に代わります」


「………何?」


影山「………翔様が今1番逢いたいお方でございます」


差し出された携帯を受け取ると…影山は頭を下げてベランダから部屋に戻って行った。


逢いたい…人…?


「………もしもし?」


智『もしもし翔くん?』


「………智くん!」


電話口から聞こえてきたのは…愛する人の声。


「智くん…智くん…!!」


智『おいらだよ翔くん。大丈夫?』


「ぐすっ…大丈夫じゃない…智くん…俺…」


智『影山さんから聞いた。全部』


「智くん…助けて…」


俺は泣きながら…智くんに懇願した。
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