第9章 解けない魔法（東堂尽八）完結

次の日、学校に行くと

「姫凪！！大丈夫？！」

親友のサクラが駆け寄ってきた
サクラは特に自転車部に興味もない
普通の友人だ

『え？なんで？』

「なんか噂になってんの！姫凪が
真波君に言い寄ってるって！」

え…えぇーー！？
いつの間にそんな話に？？

じゃああの電話達は真波君のファン！？
でもメールは【東堂様に近づくな】的なのが
多かったし…まさかのWパンチ！？
頭を抱えるあたしに
ファンクラブの各グループリーダー達が
声をかけてきた

「布施さん。チョットいいかしら？」

『はい、なんですか？』

「チョット付いてきて」

脇を固められ仕方なく付いていく
人気のない体育倉庫の裏
これは本格的にヤバイやつだ

「どういうつもり？？」

「東堂様の何なの？」

「東堂様だけじゃなくて真波君にまで
言い寄ってるらしいじゃない？」

いつも東堂様に話す声よりも
何オクターブ低いんだ？って声で
その子たちはあたしに言ってくる
ソックリそのまま返したい

言いがかりにも程があるよ
でも多勢に無勢だ。分が悪い。
仕方なく言われるがまま
黙っていると