第1章 プロローグ
大野side
プルルルル……プルルルル……
“こんな夜に誰だ”
智「……もしもし」
潤「夜分遅くにすみません松本です。」
智「なに?こんな遅くに」
潤「すみません。でもお話ししておかなければならい要件でして」
智「ん?」
潤「次の個展のことなのですが……」
智「……しばらくは描けない。そういったよね?」
潤「わ、わかりました。遅くにすみませんでした。おやすみなさい。」
電話はマネージャーの松本からだった。
松本はマネージャー業から俺の身の回りのことまで
何でもしてくれる信頼できる人なんだけど
たまに俺のことをわかってくれないときがある。
さっきの電話がそうだ。
智「はぁ……ご飯でも食べようかな。」
俺は財布と携帯そして、白杖を持って家をでた。
俺がお世話になっている行きつけのお店で
既に貴方に出会っていたなんて
この時の俺は知る由もない。