第2章 深まる関係
数日後、シュリが白血病だと知った。
電話で知らされて良かった。
シュリを目の前にして聞いたら、あたしはまた泣き崩れたと思う。
シュリはこれから病気と闘うのだ。
一番辛いのはシュリ。
そして同じくらい辛いのは徹だろう。
そう思うと、あたしは泣いては駄目だと思った。
あたしはシュリと電話を終えるまで涙を堪えた。
偶然だが、電話がかかってきた時あたしは紫音の家に居た。
紫音は電話をしている間、ずっとあたしの手を握ってくれていた。
だから涙を堪える事ができたし、シュリを励ます事ができたのだと思う。
電話を切った瞬間、涙が溢れてあたしは紫音の胸で泣いた。
そこに花音さんが来た。
「七瀬ちゃん、泣かないで?」
「はい…。」
あたしが顔を上げると、花音さんが一輪の花を差し出した。
「庭に咲いてたの。七瀬ちゃんにあげるね。元気を出して。笑って?」
純真無垢な笑顔に、心が癒された。
あたしは花を受け取った。
「…妖精さん、ありがとう。」
そう言うと、花音さんはまた庭に戻って行った。