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血の争い【黒子のバスケ】

第6章 頭首


真実を知った日向達は驚きの表情を隠せない。開いた口が閉じない状態だった。結紀は、軽く日向達に頭を下げて、静かな声で言う。

「君達を騙してたのは申し訳ない。改めて、我がこの吸血鬼族の頭首。彼には、我の代わりにやってもらっていた。」

結紀は、チラリと隣に座っている昴輝を見る。目があった昴輝は、微笑むがすぐに表情を戻した。日向は、気持ちを切り替えて結紀に言う。

「とりあえず、わかった。どっちにしろ、お前らにとって何か事情があって、そいつに代わりをしてもらってたわけだな。納得した。」

「……隠してた理由を聞かないのか?」

「お前の口から伝えるって分かってから聞かねぇよ。そのうち、話してくれんだろ?」

日向からの意外な答えに僅かに、目を見開き驚きを隠せない結紀。頭首であることは伝えたとしても、性別を知られるわけにはいかないため、とても都合が良い。

逆に日向が結紀に理由を聞かずに待つというのは、余程の信頼がないと言わないものだ。信頼されている、と気づいた結紀は、口元を僅かに緩ます。結紀は心のどこかで、このまま平和が来たらいいのに…と思っていたのだった。

だけど、その願いはとても虚しかった。叶うはずもなく、結紀達は更に地獄を味あうことを、この時は何も知らなかったのだ。
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