第1章 *
つまり、俺は都合のええ遊び相手やったってことか。
笑えへんわ。
彼女は、にこりと笑う。
あんなに可愛いとか愛しいとか思ってたその笑みは、今では死ぬほど憎たらしい。
「さよなら、すばる。」
そう言って彼女はリビングを出て行った。
ああ、にくい
にくい、にくいにくいにくいにくい…
憎い
俺は本気で、好きで愛しとったのに
…許さへん
許す、わけないやろ
俺はテーブルに置いてあったグラスを手に取った。中身が入ってたから、床に捨てた。
空になったグラスを持って、今靴を履いているであろう彼女の後を追うようにリビングを出た。
終わり