第8章 通常運転なの たぶん そう
二宮視点
大野さんから貰ったコーヒーに口を付ける。
「う゛っ」(な゛っこれ… ぁ゛まっ)
口の中に広がる尋常じゃない甘さで液体を飲みこめない。
A「ニノぉ!」
マー君が俺の側に来る。
さっきまでの良い顔の相葉雅紀が情けないマー君に戻ってしまっている。
(そんな顔しないでよ その顔されると、こっちが困る…)
マー君が背中を擦ってくれる。
(いや むせたんじゃないから…)
マー君の腕に合図をする。
なんとか口にいれた分を飲み込んで、大きく息を吐く。
A「大丈夫?」
マー君が心配そうに声をかけてくる。
口のなかを舌で確認しているとニヤニヤ笑う大野さんと目が合う。
(やりやがったな!)
「ちょっと おじさん!! これ!なによぉ」
大野さんに詰め寄っていく。
俺の目より上を見ながら驚いた顔をする大野さん。
(ちょっと 何見てるのよ!!)
大野さんを睨みつける。
潤くんが肩を揺らして笑っている。
(なんで 潤くんが笑っているんだよ)
A「ニノのに 何か入れたの?」
マー君が質問する。
(ガムシロップでしょ! 二個?もっとか!)
S「なになに みんな 立ち上がってどうしたの?」
翔さんがやって来た。
M「んー ちょっとね」
潤くんが翔さんを笑顔で迎える。
S「ちょっと?」
首を傾げる翔さん。
「ちょっとじゃないですよ!だいぶ甘い!!」
コーヒーを高く上げ、大野さんをもう一度睨む。
ベーっと舌を出す大野さん。
(いけしゃあしゃあとぉ ぁ゛)
S「え!甘い?」
翔さんが驚い声を出す。
翔さんの方を向くと、目をパチパチ、口をパクパクさせていた。
(翔さん?)
S「にの ごめん…」
翔さんが小さく呟く。
(なにの ごめん?)
A「翔ちゃんが間違えたの?」
マー君が体を乗り出す。
S「いや わかんないけど 無意識で砂糖入れちゃったかも…」
なで肩がもっとなだらかになる翔さん。
(えー
じゃ 大野さんがあんなに笑顔だったのは、翔さんが砂糖を入れるのを見たから?
じゃ これ以上 事を荒げない方が良いですね…
くーーー なんか 悔しいけど 翔さんなら 仕方ありません)