第4章 ゆる~く 通常運転へ
大野視点
誰もいない廊下で、足が止まる。
目の前にあるのは、翔くんの部屋のノブ。
そっと触るけど、鍵がかかっている。
(だよね
ノック…したら 開けてくれるかなぁ)
吉桜「あ!大野さん!!おはようございます!」
銀色のワゴンを押す吉桜くんが颯爽と現れた。
「あ… うん おはよう」
吉桜「今日は櫻井さんの部屋に集合なんですね🎵」
翔くんの部屋の前にワゴンを止める。
「あ まー 流れで…」
扉から離れる。
吉桜「あのぉ 大野さんがワゴン運びますか?」
ワゴンを俺の方に向ける。
「え? なんで?」
吉桜「あ…なんか 僕が部屋の中に入るのイヤかなって…」
困った顔をしている。
「なんで…マネだろ?運んでよ」
吉桜「あ…そうですね…はは」
コンコン!!っとノックをする吉桜くん。
(こいつ… どこまで…知ってるんだろう…)
「はいはーい」
翔くんの部屋から返事が来た。
(翔くんの声だ!!)
吉桜「吉桜です!」
S「早かったね」
ガバッと勢いよく扉が開く翔くん。
吉桜「お待たせしました」
90度で頭を下げる吉桜くん。
S「あ!智くん!おはよう🎵」
翔くんが俺を見て笑った。
「お、おはよう」
S「入って入って!中にニノもいるし、コーヒーも沸いてるから🎵」
廊下まで出てきて、俺の腕を取る。
「あ、うん」
S「自分でやるから」
翔くんがワゴンを受け取る。
(部屋に入れないんだ…)
吉桜「はい。失礼します」
頭を下げる吉桜くん。
翔くんの部屋に入る。
「おはよう」とニノの声が聞こえてきた。
「おはよう 早速 仕事してるの?」
テーブルの上のパソコンを見ているニノに近づく。
N「ええ…そうですよ
あ!
コーヒーはセルフですよ ご自分でどうぞぉ」
チラッと目だけ動かすニノ。
(そのコーヒー…ブラックだろ? 今は甘いカフェオレが飲みたい)
ふっとミルクの匂いがした。
S「ねー智くん 今日は甘々?」
翔くんがキッチンから問いかけてきた。
「うん!」
(さすが!翔くん 俺の事分かってるぅ)