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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第14章 素にもどっていくよ


櫻井視点

コンコン
 雅紀の部屋をノックする。



A「はい」
 雅紀のちょっと低めの声が聞こえる。


(ふふ、なんか笑える…)
扉が開くまでほんの数秒笑っていた。


 ゆっくり扉が開く。


「おまたせ!」
そう言って笑顔で片手をあげてみた。


 壁と扉の隙間から見える雅紀は目をパチパチしている。


(ん? 変だったかな?)


 ストッパーが外れた扉を勢いよく開けた雅紀が「翔ちゃん!」と言って抱き付いてきた。

 予想外の行動を取りがちな雅紀。

「ど、どうしたの?そんなに待ってたの?」
さすがにこの状況は対応に困ってしまう。


A「待ってないって言ったら嘘になるよー!」
 笑顔の雅紀が顔を擦り付ける。


M「なに?感動の再会みたい事しているの?」
 困った顔の潤が雅紀の肩を叩く。


A「だって…」
 何か言いたそうな雅紀。


M「はいはい。ここじゃねぁ…翔さんも中ぁ入れないし!」
 潤が雅紀をなだめている。


(おいおい。年下になだめられてどうするのよ)


A「そうだね。ごめん…」
 そう言っているが、抱き付いたまま離れない雅紀。


「よしよし!そんなに翔君に会いたかったのかぁ~よしよし♡」
 少し高い位置になった後頭部を撫ぜながら、部屋に押し入っていく事にした。

ガニ股の後ろ歩きをしながら雅紀はくっ付いてる。


M「あはははっ 嵐イチのっぽさんを押して入ってきたよ!」
 笑いながら開けっ放しの扉を閉めている潤。



N「なに、そのカッコ…マーくん…あなたいくつよ!」
 ベッドの上でニノが眉をピクピクさせていた。

A「だって!翔ちゃんが…」
 涙目の雅紀がやっと離れてニノのそばに行く。


M「大丈夫?」
 潤が話しかけてきた。

「雅紀はニノの所だよ」
ものすごく楽そうな格好のニノとじゃれ合っている雅紀を指さした。


M「違う。翔さん自体…」

(あぁ…潤も心配してたのか…顔に出てたのか…)

「うん…もう大丈夫だよ…
 今日イチの仕事が、重たかったから、引っぱちゃった…」
首にかけたタオル触りながら答える。


M「切り替えれそう?」
 料理を取り分けながら潤が質問してきた。

「切り替えオッケィです」
顔の前に指を二本立て答える。


M「そう…それは、よかった…」
 小さく笑う潤。
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