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恋時雨。

第1章  君が好き。


部活の朝練が終わって教室に向かう。
朝からよくギャーギャーと騒げるものだ。
教室のドアをガラッと開け、挨拶をするクラスメイトに軽く返事をする。
愛想無いとでも思っているのだろう。
「梓〜♡」
机に着くと突然、後ろから誰かに抱きつかれた。
「唯奈!」
「んーおはよ^^」
「おはよう」
唯奈の可愛い笑顔と声に朝から心が和む。
「ん?そのキーホルダーって昨日無かったよね?」
唯奈の筆箱に付いているイニシャルのキーホルダーを見つけた。
「あっ、コレ?」
「うん」
「コレねー昨日翔太とオソロで買ったんだ!良くない?」
「相変わらず翔太翔太…唯奈って本当に桐谷のこと好きだよね」
「翔太に嫉妬〜?梓可愛いっ♡」
いや、もう唯奈が可愛い。
唯奈の笑顔は天使みたいに明るく可愛い。
「前野君とは?どーなの?」
飲んでいたお茶を吐き出しそうなぐらい急な質問。
「どうって…別に……」
私は顔を少し赤くさせながらお茶を飲んだ。
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