• テキストサイズ

【文豪ストレイドッグス】黒い世界に生きる少女

第3章 マフィア入団


三人でエレベーターを上がる。
乗り降りする人は誰もいなかったため、あっという間に最上階に着いた。
太宰は廊下の奥で立ち止まると声をかけた。
「此処が首領の部屋」
芥川がゴクッと唾を呑む。
「絶対、余計な事を喋んないでね?」
そう言うと、太宰はドアを二回ノックした。
「太宰です。入りますね」

ドアの向こうには、背の高い男が窓の外を見ながら佇んでいた。
くるみ達に気づくと、鋭い目を向けた。
「…何かな?」
低い声が部屋に響く。
太宰がにっこり微笑んだ。
「前にお話しした新しい部下です。私の権限でスカウトできるということでしたので、早速連れてきました。」
「ほぉ…」
首領は芥川とくるみに視線を移す。
「芥川龍之介くんと乾くるみちゃんです」
「そっか。君達は何を頑張ってくれるのかな?」
太宰がフォローを入れようと口を開きかける。
「私がーー」
「君に聞いたんじゃないよ」
「…失礼しました、首領」
太宰が一歩引き下がった。
代わりに芥川が前に出る。
「僕は、最善と思われることすべてを。」
首領は「ふぅん」と言うと、くるみに聞いた。
「君は?」
「私はーー」
私の求めることは…!
「大切な人を全員守ります。」

首領が大きく笑った。
「此処にきた者がそれを言うか。だが確かに、切り捨てるだけの能無しはこれ以上必要ない。」

「私は森鷗外。期待しているよ、くるみくん」


/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp