As well be hanged for .....
第8章 閑話休題
二人が見つめる彼女。
彼女はそんな事は露知らず、幼児が遊ぶような木のおもちゃで一生懸命遊んでいる。
その周りにはいくつもの子供用おもちゃが広がり、小さな遊園地のよう。
しばらく、ぼーっと庭を見つめたかと思うと突然立ち上がり、デッキを降り庭を出ていこうとする。
「セバスチャン!」
「はい!」
ふらふらと歩きだすウリエをセバスチャンが捕まえる。
そして、またデッキのレジャーシートに戻される。
そんな事が数日続いている。
「お嬢様、そろそろ正気に戻っていただきませんと…。」
「何言ってるのよセバス。私はいつでも正気よ。」
元気いっぱい!とアピールするウリエにセバスチャンは辟易する。
そんな二人の所にシエルが、子供騙しだと馬鹿にしてしまいそうな一つの道具を持って現れた。
「ぼ、ぼっちゃん!それは!」
「これでなんとか出来る気がしないか?セバスチャン!」
「さすがです!」
催眠術と言えばコレ!
糸の先に穴の開いた硬貨を結び、それを指で吊り、催眠術をかけたい人の目の前でゆらゆらと揺らす。
ドヤ顔でそんなものを持って現れたシエル。
ウリエのマインドコントロールに、催眠術を上書きして醒ませばなんとかなるのではないかと言うのだ。
彼らは場所をリビングに移し、催眠術にかかりやすくなると言われるアロマを焚き、催眠術にかかりやすくなる音楽をかけ、カーテンを閉め部屋を暗くする。