As well be hanged for .....
第7章 嫉妬は秘密に 紅茶は一緒に 後編
「一つの自意識として、私の手を借りずにたったお一人で、彼女を守りたいと思えるように、成長なさったのでは?貴方は確かに子供でした。でも、今ではどうです?」
今?
あの時からもう何年と月日が過ぎた。
子供だった時代はとうの昔だ、いつまでも子供は子供のままではいられない。
幾多の日々を子供で過ごしてきた。
そろそろ自分は子供というフィルターの中に収まりきらないほど、世界を、他人を、感情を、見て来たのだろう。
「貴方のその感情は間違いではありません。」
悔しい、恥ずかしい、情けない。
「人間であった時が、短すぎたのです。」
セバスチャンは主人の心の成長を喜ぶと共に、以前の彼の事も一緒に思い出す。
ウリエ・フェンベルグという存在がどれだけ、シエル・ファントムハイヴに大きな影響をもたらしたのか驚かされる。
彼女のシエルへ〝与えた″影響への嫉妬か。
それとも…
彼女のシエルへ〝与える″影響への嫉妬か。
セバスチャン・ミカエリスはあくまで執事でしかないのだから。
「マインドコントロールの解き方って知ってます?」
「…知る訳ないだろ。」
「お嬢様、大丈夫でしょうかねぇ。」
「さぁな。」
(嫉妬は秘密に 紅茶は一緒に 後編)