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voice【気象系BL】

第4章 楽園


「雅紀、俺の服でいい?」

翔ちゃんが、クローゼット漁って
適当なもん着ていいよと言うので、

「今日翔ちゃんち泊まってっていい?
 久しぶりに翔ちゃんちで飲みたい!」

いつもだったらすぐOKくれるのに、
今日は少し迷ったように一瞬待ってから
「あ、うん。もちろん!」
と返してくれた。

なんかあんのかなーとか思ったけど
まあいいや。
スウェットの下にTシャツ、
パーカーを借りて着る。

「やっぱ、翔ちゃんのだと
 サイズちょうどいいね!
 …あれ、翔ちゃんどうした?
 やっぱり今日おかしくない?」

翔ちゃんは自分のベッドに腰掛けて、
クローゼットから服を出して
その場で着替える俺。
翔ちゃんはさっきみたいに
ぼーっとして俺を見てた。

「…はぁ」
そのため息が何を意味しているのか
俺にはわからない。

「俺もね、今日の自分おかしいなって
 思ってたんだよ」

「…う、うん」

「今日さ、俺がアスレチックから落ちたとき
 雅紀、手つかんでくれたじゃん。
 俺が車の助手席で寝てたとき、
 頭ポンポンとかしてくれたじゃん。
 あのとき起きてたんだよ、俺」

俺に話しかけてるようにも思えるけど、
どこか自分自身に
語りかけるように話す翔ちゃん。
俺はただそれを黙って聞いていた。
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