第1章 MUSIC
*Masaki side*
ピンポーン♪
「はーい。」
「こんちはー!」
入ってきたのは…、
和とレナちゃん。
「あ、大野さん!」
声をかけたのは、レナちゃん。
「お!レナちゃん、和くん!」
そう、二宮姉弟と大野さんは
何かと仲がいい。
「あ、またクリームパン、
たくさんあるから持ってきな!」
大野ベーカリー
(本当の店名は違うけど
なんとなく俺はそう呼んでいる)の
クリームパンは二宮家に大好評。
…すっかり仲良しになってるよな、
あの人たち。
というか。
まずお父さんとお母さんは
準備中で。
大野さんと二宮姉弟はそこだけで
盛り上がってるし。
俺だけ蚊帳の外感
ハンパなくないですか?
と、そんな俺にも
チャンスは巡ってきた。
大野さんが俺のお父さんたちに呼ばれ
キッチンに行き。
レナちゃんも忘れ物を取りに
一度家に帰ったその瞬間。
和がこっちに来た。
何も言わずに隣に座る。
何か言いたげだけど…、
何も言わない。