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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第14章 Ⓡ◆路地裏イチャアンin神田【企画】



僅かに湿気を帯びた空気。
大通りから続く煉瓦の道は、彷徨い奥へ進めば暗澹たる様。

ぴちょん、とどこかで雫の滴る音が鳴る。
カサリ、と吹かれた何かの切れ端が舞う。

明るい昼時だと言うのに、分厚い壁に阻まれた空間には一筋の光も入り込みはしない。
誘引するは人の性。










「ユウ、こっち!」

「は?なんだってそんな所に…」

「いいから早くッ」



踏み込む其処は、黒白の世界。

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