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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第5章 結婚までの道のりー後編ー


ー潤sideー


「すみません…本当に…」


翔が出て行った後、俺はもう一度ソファーに座った。


翔母「潤くんは気にしなくていいのよ。この人が頭固いだけだから」


翔父「おい」


翔母「何?本当の事でしょ?」


睨み付けてきたお義父さんを一瞬でお義母さんは黙らせた。


翔父「松本くん…君の事が嫌いじゃない。いい青年だとは思ってる。ただ…結婚となると話は別だ」


「分かってます」


俺は真っ直ぐにお義父さんを見つめた。


「本当に…今回の事は僕の責任です。結婚のお許しを得る前に子供が出来てしまった事…ここに来る前にメディアに漏れてしまった事…申し訳ありません」


俺はもう一度深く、深く頭を下げた。


「でも…妊娠が分かった時…心から嬉しかった。それに…翔さんは言ってくれました。『産みたい』って…。だからその時心に誓ったんです。この人と結婚して…何があっても一生添い遂げよう…って」


翔父「………」


「今日は帰ります。でもまた来ます。許して貰えるまで…諦めません。もしお義父さんが許してくれたその日には…あらためて籍を入れたいと思います」


翔母「潤くん。気にせずに籍入れても良いのよ?貴方達はもう大人なんだから」


「いえ、決めた事です。許して頂くまで待ちます。いつまでも」


翔父「………」


「じゃあ…お騒がせしてすみませんでした」


一礼してソファーを立ち上がる。
入口でお義父さんにもう一度頭を下げて、俺はリビングを出て行った。


翔母「せっかく来てくれたのにごめんなさいね」


お義母さんや舞ちゃん、修くんが玄関まで送ってくれた。


「いえ、覚悟はしてましたし。また頑張ります」


舞「お父さんもお兄ちゃんも頑固だからねー」


翔母「私も説得するから。潤くん、翔の事よろしくね」


「はい」


そして俺は櫻井家を後にした。


正直いつ認めてもらえるのか…不安なんだ。
でも…隣に翔が居てくれる。お義母さん、舞ちゃん、修くんも居る。そして…うちの家族。


迷いはない。いつかきっと分かってくれる。


決意を新たに、俺は車まで戻った。
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