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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第21章 wound


「ん…美味しい…」


潤「そっか。よかった」


潤が嬉しそうに、俺を見つめながら微笑んだ。


潤が仕事場から貰って来てくれた手打ち蕎麦。
それを潤お手製の汁で作ってくれた大好きな温蕎麦。
俺の大好きな葱と下ろした生姜がたっぷりで…本当に俺の好みの味。そこには潤の愛が…沢山つまっていた。
気付けば…俺はその蕎麦を完食していた。


潤「お。沢山食べたな」


「うん…ご馳走さま。美味しかった」


潤「うん。翔座ってて。俺片付けるから」


「ありがと…」


器を下げ、テキパキと片付ける潤の背中を見つめる。


俺は…潤に頼ってばっかりで…。
いつも助けられてる。
俺も…潤を支えたいのに…。


「潤」


潤「ん?」


「少し…前に進めたかな…」


潤「勿論。今日は沢山食べたしな…少しずつ…前に向けてるよ」


水を止め、潤が振り返る。


「………前に向けたら…いつか…戻って来てくれるかな…俺達の赤ちゃん…」


潤「………」


潤が俺の後ろに立ち、そっと抱き締める。


潤「………きっと…戻って来てくれるよ。信じれば…必ず」


「………ん…」


潤「だから…少しずつでも…前に進もう。でも…辛い時は立ち止まっていい。苦しいなら…吐き出して。俺が背負うから。翔の全て…俺が背負うから」


「うん…」


潤「愛してるよ翔」


後頭部に柔らかい感触。
振り返ると…潤は優しく微笑みながら…俺を見つめていた。


「………愛してる…」


俺はそのまま顔を近付け…ゆっくりと唇を重ねた。
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