第8章 ♠ウエディングベルが・・・
翔side
俺達の年末はとても忙しい。
冠番組は勿論のこと、歌番組なんかも通常の放送時間とは異なったりして、瞬く間に時間が過ぎて行く。
肉体的には限界寸前まで追いやられるけど、それだけ俺達が人々に必要とされてる、って思えばそれもどうってことはない。
そして新しい年を迎えると、それまで頑張ってきた俺達にも僅かばかりの長期休暇が与えられる。
例年、メンバーそれぞれ実家で過ごしたり、地元の友人と会ったりと、それなりに充実した時間を持つ。
それは俺も例外ではなく、今年も友人からの誘いがいくつかあった。
でも、俺は智くんとの時間を選んだ。
智くんと過ごす時間が、一番幸せを感じられるから。
当然、こんな機会も滅多にないからと、スキーやら温泉やら…あれこれと予定を立てていた。
でも智くんはそれをあっさり却下した。