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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第14章 Dear my doctor


櫻井side


気持ちと体って
密接にリンクしてるんだなぁ…。

そんなことを思う。

マンションに戻ってから
何もする気にならず…。

ソファーから動けずにいた。

浮かんでは消えるみんなの顔、
お世話になってるスタッフさんたち…。

何事もないような顔で淡々と
打ちきりと続投を語った局のお偉いさん…。

悔しさとか悲しさとか寂しさとか
色々な感情が目まぐるしく入れ替わる。

今までだって番組の終了なんてあったのに…。

静かすぎる部屋のせいで
思考の迷路に入ったんだと思って
テレビのスイッチを入れる。

けど…今度は目に映る番組の視聴率とかが
気になりそれをきっかけに
また迷路に迷いこむ。

食事をする気にもなれず…。

アルコールでも飲めばと口にしたけど
そこに解決の糸口があるわけもなく…。

あの日から3日、よくわからないまま、
一人マンションに閉じこもってた。

せっかくのオフだったのに…。
立てた分刻みの休日のスケジュールを
こなす気力は欠片もなかった。

適当な理由をつけて
遊びにいく予定だった友だちに
断りのメールを入れて…。

時折気まぐれに訪れる睡魔に
拐われるように眠り、
起きては思考の迷路に入る日々。

ひたすら悔しかった。
俺たちを丸ごと否定されたような気分で…。
やってきたことを全て『落第点』だと
評価されたようで…。

なのに俺だけ残るのが
どうしても引っ掛かってた。

選ばれるって昔は評価されたと
素直に喜べたのに…。

今回のはそう、思えなくて。
罪悪感に似た感情がこびりついていた。


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