第13章 Childhood's end
大野side
N:「あの頃はさ、
ほんと意味わかんなくて…。
なんで自分が攻撃されるのかさ。
今考えると…多分…
生意気だったんだろうなぁ、俺。
やりたいこととそうじゃないことだと
対応の差が半端なかったし、
気に入らなきゃ口先で相手、
やっつけたり丸め込んだりとか?
今とさして変わりない感じ?
多分、異質だったんだろうな、俺。
まぁさ、何やられても
反応しないようにしてたらさ、
いつのまにか俺への攻撃は
無くなったけど…。
今度は別の奴が攻撃されるし。
多分、誰でも良かったんだろうなぁ。
なんとなく生意気な奴、
自分らのやることに反応を示す奴…。
小学生なんて馬鹿で単純で
その分残酷で…。
自分のやってることがどれだけ残酷で
相手を傷つけてるか気がつかない。
奴等にとっては【イジメ】じゃない
【単なるイタズラ】。
だけど…当事者にとっては
【イジメ】なんだよな。
ヤられたことを
全部覚えてるわけじゃない。
相手の顔なんて忘れたし、
名前も辛うじてってレベル。
外で会ってもあんな風に言われなきゃ
気がつかないよ。
やられたこともほとんどの忘れたし。
それでも…
今でもさ時々思い出すんだよ。
もう随分前のことなのに…。
【イジメられた】っていう気持ちだけは
消えないんだよ。
いつもどこかでビクビクしてる。
俺の言ったことで誰かを傷つけてない?
不快にしてないか?
気がつかないうちになにか
相手の機嫌を損ねる様なことを
してないか…。
誰かに嫌われる種をまいてないか?
すごく不安なんだ。
俺の行動は正しいのか…
いつも、いつも…」
心配するなと言う和。
だけどその目には不安が
色濃く浮かんでいた。