• テキストサイズ

しあわせはここにある【気象系BL小説】

第13章 Childhood's end


大野side


上着を脱ぎ、ソファーに座り
クッションを抱え、肘掛けに凭れ
ボーッとしてる和。

ソファーの前のローテーブルに
つまみと酒を置く。

さっきの店で飲んだとはいえ、
さすがに先輩の前だし、
状況を考えるとおいらも和も
そんなに飲めなかった。


「か~ず?疲れた?
 大丈夫なら飲み直そう?」


言いながら和の横に座る。


N:「ん。………智…今日は…ありがとう。
  隣に居てくれて…助かった」


大きく息をつきながら和が言う。

グラスに焼酎を注ぎ、和の前に置く。


「あの人…黒田さんって…」


それ以上言えずに口ごもる。


N:「そう。智、知ってるでしょ?
  俺が小学生の時虐められてたの。

  あいつね、その首謀者ってか
  先頭に立ってた奴」


「ごめん、和、もういいから」


和の辛い過去を
これ以上思い出させたくなくって止めた。

けど…。


N:「少し聞いてもらってもいい?
  そんな楽しい話じゃないけど…」


和はグラスの焼酎を飲みながら言う。

おいらは小さく頷いて和を見た。


N:「そんな心配そうな顔、しないでよ。
  正直、あの瞬間まで
  思い出さなかったしさ。

  確かに驚いたけどね。
  世間って案外狭いね。
  まさかあんな形で
  会うとは思わなかったよ。

  俺の勘、けっこう鋭いかも」


そういって笑う。



/ 1081ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp