第13章 Childhood's end
二宮side
夕飯のあと、東山さんに電話するために
ダイニングを出た智さん。
ダイニングの片付けが終わったから…
様子を見に行く。
俺のために智さんが
東山さんに連絡している…。
申し訳ない気持ちで
オーディオルームの前に立った。
ここが一番静かで電波も安定してるから、
大事な電話はここで掛けることが多い。
電話中だったら邪魔になるからと…
そっとドアを開けた。
部屋の真ん中のソファーに
智さんは座ってた。
携帯を手に包んで俯いてた。
ドアの音に気が付いたのか
智さんがこっちを向く。
俺の顔を見て、
いつもの笑顔を向ける智さん。
O:「和?どうしたの?そんな顔して…。
電話、終わったよ。
東山さん、おいらの同席、
あっさりOKしてくれたよ。
別に怒ってなかったし
気にしなくて大丈夫だよ?」
智さんの話を動けずに聞いてる俺に
智さんがニコニコしながら手招きする。
智さんの行動の意図が掴めないまま、
智さんのもとに向かって歩く。
智さんは手招きしてた手で
自分の膝を何度かポンポンと叩いた。
えっ?なに?
智さんの手が俺の手を掴んで
そのままグイっと引っ張る。
バランスを崩した俺は…
智さんの膝の上にいた。
「え?ねえ?なに?」
イマイチ状況が把握出来ない俺は
軽くパニック。
バタつく俺をそのまま抱き締め、
片手で俺の頭を撫でる。
O:「和、もしかして
申し訳ないとか思ってる?」
「うん…ごめん」
頭を撫でる手が気持ちよくて
そのまま身を任せ、
智さんの問いに答えた。