第11章 Sweet remedy
二宮side
なんとなく微妙な空気を壊したかった。
だから敢えて明るくまーくんに声を掛ける。
「まーくん、さっきはゴメン。
これ、お詫び」
そう言って自分の口に金平糖を放り込み
そのまま、まーくんにキスをした。
歯列に舌を這わせ…
緩んだそこに舌を捩じ込む。
金平糖を口移しする。
驚くまーくんの気配を感じながら
唇を離す。
「魔法の薬!元気になった?」
顔を真っ赤にするまーくん。
A:「え?あっ?あぁ…。ええーーー?」
言葉になってないし…。
S:「はいはい、ご馳走さま」
M:「和、大胆だな」
O:「かわいいなぁ♡
あっ後片付け、よろしくね」
そういってダイニングを後にする3人。
S:「向こうで飲み直そうか?」
M:「うん、そうする?
ついでにちょっとコンサートの件も
話したいし」
O:「了解」
そのままオーディオルームに
行ってしまった。
残された俺とまーくん。
暫しの沈黙。
「片付けようか?」
A:「え?あぁ…うん」
答えるまーくんの顔は
もういつもの顔に戻ってた。
A:「おっし!片づけよう!」
「やっちゃいますか?」
ふたりで食器をキッチンに持っていき
ガシガシ洗う。
ようやく全部終わった。
濡れた手を拭く俺の肩に
まーくんが手を伸ばし
まーくんの方に体を向けられる。
驚いてまーくんを見た途端、
唇が落ちてきた。
軽いキス。
A:「和、ありがとう!
明日も出るの早いんでしょ?
お風呂、入れてくるね!」
そのまま行ってしまう。
「は~、相変わらずなんだから…」
そう言いつつにやけてるのは自覚してる。
「あっ瓶、戻しとかなきゃ」
リビングのチェストに小瓶を戻す。
甘い甘い魔法の薬…。
ありがとうの気持ちを込めて
引き出しを閉じた。