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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第11章 Sweet remedy


二宮side


A:「俺こそごめん…。

  家に戻るまでになんとか
  気持ちに折り合いつけようと
  頑張ってたんだけど…ダメで。

  帰ってきてふたりの顔見たら
  また、今日の現場思い出しちゃって…。

  大ちゃんに迷惑掛けたこととか、
  うまくスルー出来なかったこととか…。

  いつまでも子どもみたいな
  自分も嫌で…」

まーくんの声に涙が混じる。
俺たちから顔を隠すように後ろを向く。
嗚咽が響く。

慰めようと立とうとした俺を
大野さんが止める。

口だけ動かして
「だめ、そのまま泣かせてあげて」って。

多分、これはまーくんが
自分で結論付ける必要があるという判断。

リーダーとしてなのか?
俺たちの兄的立場からなのかは
判別がつかなかったけど…
大野さんの目が強い意思を宿してた。

翔さんもJも黙ってまーくんを見てる。

本当は震えてる肩を抱いて慰めたかった。
でも…一方で
大野さんの考えてる事も理解できた。

多分、今一番まーくんのことを
抱き締めて慰めたいと思ってるのは
現場に一緒にいた大野さんだと思う。

その大野さんがそれを止めるなら…。

まーくんの嗚咽が徐々に治まっていく。

俺はそっと席を立ち
リビングのチェストから小瓶を取り出す。

沈黙が支配するダイニング。

まーくんが沈黙を破る。


A:「泣いたりして…ごめん」


O:「気持ちの整理、ついた?」


A:「うん、もう大丈夫…」


O:「今日のことはホントに
  気にしなくていいからね。

  事故みたいなもんだし、
  この仕事してればよくあることだから。

  雅紀はなにも悪くないよ。

  だから落ち込むことも
  傷つくこともないんだよ。

  僕の方こそ上手くフォロー出来なくて
  ごめんね」



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