第10章 松野さんって…
帰り道。私は高校に入学して初めて、女の子と一緒に帰ることになり緊張していた。
(思えば全然面識のない子……一体何が好きなんだろう……)
そう考えていると相手から、
「松野さん、今日は本当にありがとう。私もね、高校入ってからずっと1人だったの。だからいきなり班作れとか言われた時はそわそわしちゃったけど、松野さんたちが気づいてくれて本当によかった。それと、松野……おそ松くんだっけ? 彼にも感謝したいな。あんなに凄いムードメーカーの子なんて滅多にいないよ。それに学級委員とか……面白いな」
話し出すとマシンガントークのように一方的に話してくるような子であった。私は、
「いやいや、私もおそ松くんには感謝してるよ。いなかったらずっとぼっちだったから」
こうしてお互い、初めてまともに会話した内容はおそ松くんのことであった。