第53章 松野たちの文化祭
「ふぅ……」
「お疲れ様」
スタンプラリーのスタート位置の受付にて、一段落して休憩をしている私の前から声が聞こえた。顔を見上げてみると、
「チョロ松くん……」
「随分頑張ってるね……じゃあ僕もスタンプラリーやろうかな……」
と金券と一緒に飲み物も渡される。
「ありがとうございます……けど飲み物は別に……」
「いや、これは僕からのおごり。頑張ってる姿見てたらあげたくなっちゃってね。ちなみに、未開封だから心配しないで」
と微笑みながら改めて渡してくれた。
「ありがとう……じゃあありがたく……」
と私は両方を受け取り、スタンプラリーの用紙を渡した。
「こちらこそありがとう。あっ、そうだ」
とチョロ松くんは持っていた鞄からチラシを取り出し、私にくれた。それを受け取り内容を見てみると、
(想いを伝えて、スッキリチャレンジ?)
「あのね……これ僕のクラスの出し物なんだ。よかったら今日1時からやるから見に来てほしいんだけど……」
私はクラスの当番表を見た。
「私は1時から入ってないから見に行ける……うん、飲み物のお礼として見に行ってみるよ」
と言った。チョロ松くんは嬉しそうに、
「ありがとう! じゃあ1時に体育館にきてね!」
と言ってからその場を後にして行った。