第34章 松野たちの花火大会後
コンビニまでの10分の道のり、私たちが話すことはなかった。やはりあの時の告白のせいなのだろうか。コンビニへ着くと見覚えのある人を見つける。
「えっ……なんでお前がいるんだよ……」
それは紫色の甚平姿……つまり一松くんであった。一松くんは先ほど会った時に一緒にいた猫にエサをあげていた。チョロ松くんは、
「まさかだけどお前……花火見てないのか……」
一松くんは、
「見てない……」
と言う。チョロ松くんは右手を顔へやりため息をついていた。
「そしてお金は猫缶を買うために使ったと……」
一松くんはそう言われると私たちから目線を逸らす。どうやら図星だったようだ。私はこの空気をなんとかしようと、
「まあでもいいんじゃないの? ね、私も焼きそばしか買ってないしって……あっ!」
その私の驚きでチョロ松くんと一松くんは私の方を見た。
「焼きそば……席に置いてきたままだった……」
そうあの時、女の子に連絡を入れに行く時に焼きそばはおそ松くんたちのところへ置いてきてしまっていたのだ。私は、
「あーあ……食べたかった……」
と呟く。その時チョロ松くんが、
「じゃあここで待っていようよ。どうせあいつらここ通って帰ってくるならその時に焼きそばあれば貰えるし」
と話してくれた。確かにここは松野家の近くだと言っていた。ならば通るに違いない。私は、
「うん……そうする」
と安心出来たのであった。