第6章 告白は突然に@青峰大輝
驚いた。まさか青峰くんが見てたなんて思わなくて。
いや、偶然かも。さつきを見てただけかも。
でも、私の事も見ててくれたらいいな……なんて思ってしまったり。
恋は忙しいなぁ。
「…まあ、別に」
「んだよ、気になんだろ」
彼は人差し指でボールをくるくると回転させながら、私の隣に座った。わぁ、いい汗の匂い…って私は変態かッ!
「もう、なんだっていいじゃない!」
「いや、お前が何かありそうな反応するから」
こっちはあなたが近づくだけで心臓バクバクなんだから!
ちょっとは気を使ってよね、アホ峰!
…私がさつきと話しているのは、他でもない青峰くんの事。そろそろ告白してみたらどうだ、と言われ、作戦を練ったり何度もイメトレしたり……と、色々お世話になっている。
でも、中々勇気が出ない。何度か想いを伝えようと試みるも、名前を呼んだその先の言葉が見つからず、結局未遂に終わってしまうのだ。
今は2人きりだし、絶好の告白チャンスなんだろうけど……やっぱり私は迷ってしまう。
この場をセッティングしてくれたのはさつきだ。そのお礼にも、なんとか今回伝えたい……そう思う。
……だから、
ええい、もう知らん!振り切れ!