第18章 繋いで@降旗光樹
「日本一、おめでとう。応援席でずっと見てたよ。
凄くカッコよかった。
私、もっと色んな降旗くんを知りたい。教えてほしい。
だから、私を降旗くんの彼女にして下さい!」
——私を好きになってくれてありがとう。あの日、あなたと出会わなければ、私はこんなに素敵な男の子を見逃すところだったんだね。
だから、あなたに心からの感謝と愛を。
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
返事にしては少し長かったかな……なんて美心の心配は杞憂で、降旗は嬉しそうにお辞儀をした。
「それで、えっと…」
スッと差し出されたのは彼の手。
『繋いで』
美心は笑顔でそれに自分の手を重ねた。
優しく握られた2つの手。
2人には、それだけで気持ちが伝わってしまいそうに感じられた。
『好きです、美心さん』
「私も好き、降旗くん」
2人は、晴れて恋人同士になった。
繋いだこの手がその証。
その幸せを噛み締めるように、2人は笑い合った。
fin