第1章 〜出会い〜
「ふわあ〜ねむっ…。キミ、嘘ついてたよね?」
猫背の男の子は、僕に言った。
「そんな事ないです!全然…」
僕の声は段々小さくなる。
図星だったから。
猫背の男の子はニヤリと笑って「やっぱり」と言った。
「貴方、誰ですか?」
って聞こうと思ったけど、翔くんが名前を言ってくれた。
「大野くん、また寝不足?」
大野くん…。
この人、“大野”っていうんだ。
確かに、大野っぽい。
「大野さん…ですか?」
僕は“大野さんに”聞いた。
「そうなんだよ、和________」
またも翔くんが喋る。
「翔くん、喋っちゃダメだよ?」
大野さんが止めた。
「この子、何で?って顔してる。いつもいつも」
「そうなのか?和」
翔くんが聞いた。
「________うん」僕は頷いた。
この人はエスパーか⁉︎
僕は驚いた。
「今、驚いたよね?」
また心をよまれた…。
「名前は?」
「僕は、二宮和也です」
そう答えると、大野さんは「ふぅん」と言いニヤリと笑った。