【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第25章 鬼ごっこ
これは…。
「支肢(シキョク)…ですね」
闇家業では基本とされている動作の1つ。
まさかこんな歳で使える人が居るとは思わなかった。
「そ。見分けつく?」
肉眼、気配だけでは無理ですね。
とても完成度が高い。
「仕方ない…」
オーラを目に集中させ、凝を行う。
そのまま残像全てに目を通し、本物を見つける。
「捕まえましたよ」
トン、と軽く肩に触れた。
「ちぇっ…。
やっぱただモンじゃないね、あんた」
「さぁ?どうでしょう」
大人気なかった気もするけど。
「俺結構訓練してんだけどな、それでも最初のは気づかなかった。
命懸けだったら殺られてた」
「私もそれなりに訓練してますから」
仮にも闇の世界に脚を踏み入れている訳だから。
「それなりに、ね。
なぁ…また遊んでよ。
今度来た時、時間あったらで良いからさ」
「良いですよ」
以前よりもいくばか瞳に色が宿っている。
「そんじゃね、リア」
「ええ、また」