【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第21章 地獄
そして毎回、ここで目が覚める。
「はぁっ…はっ…は…っ…」
夢から覚めると慌てて起き上がった。
身体中に嫌な汗を掻いている。
喉が痛む程、呼吸は荒い。
涙が溢れてしまいそうな程、胸がキュウッと締めつけられる。
皆の…シャルの恐怖の色が混じったあの瞳が
いつまでも私にまとわりつく。
“ 辛いなら言って ”
そう言ってくれたのは…私を怖がったシャルだった。
結局は皆、私を怖がるんだ。
「起きたか。
水そこよ、飲むと良いね」
ベッド前のイスに脚を組んで座り、雑誌を読んでいるフェイタンがぶっきらぼうに告げた。
気配を絶っていたのか、隣に居ることに全く気がつかなかった。
「どうも…」
頭や身体を冷やす為に、用意された冷水を一気に胃に流し込んだ。
スー…と吸収されて行き、高まっていた体温は少しずつ鎮火された。
「しばらくはワタシと行動するね。
リアの暴走止められるのワタシだけよ」