第19章 決行

「そういうところ出身だから…ですかね。

私はそこで血以外の色を見た覚えがありません。


周りの人間は皆獣に近く、殺しを殺しとも思わない、そんな人でした。

だから人殺しになるしかなかったんですよ。


人殺しから逃れる方法は自分も人殺しになる以外ありませんからね。

これは私が幼い頃にした選択です。

死ぬことよりも、生きる為に殺すことを覚えました。

なので殺すことに疑問も、感情もありません」


「…やぱりお前ワタシと同じね。

流星街の中でも特に治安の悪い地区、そこ出身か？」


「ええ」


「それであんなオーラしてたか」


話しながら歩いていると、あっという間にアジトに到着した。


「全部あったか？」


すでに全員揃っている。


意外なことにヒソカさんの姿もあった。


「あたよ」


盗って来た本をクロロさんに差し出す。


「パク。

シャル達が盗って来た本から記憶を読み取ってくれるか？」


「ええ、分かったわ」


「本物か？」


「本物よ、間違いないわ」


「そうか」