第19章 決行

決行日。


アジト内に緊迫した空気はなく、いつも通りゆるりとした雰囲気が漂っていた。


お昼前だというのに起きているのはほんの一握り。


とことん朝に弱い人達の集まりだな。


まぁ、私も人のこと言えないけど。


「ふぁ…おはよ〜」


欠伸を噛み殺して挨拶するシズクさん。


「おはようございます」


「はよ」


荷物を肩にかけ、気怠そうに挨拶するのは…。


「おはようございます。

マチさん、少し時間良いですか？」


「良いよ。

じゃ、アタシの部屋に来なよ」


「はい」


「あ、そうだ。

あれからシャルに変なことされてないだろうね？」


「はい？」


「してないってば！」


「本当に？」


「大丈夫ですよ」


そう答えても疑いの眼差しは変わらない。


「本当よ、マチ。

リアは何もされてないわ」


パクノダさんの言葉でようやく納得したようだ。


「ならいいや」


「俺、そんな信用されてないのかな…」


ガックリと大きく項垂れる。