第11章 勧誘

「アジトへ行くぞ、仲間を紹介する。

ここからだと少し時間はかかるが良いか？」


ポン、と頭に手を乗せた。


「そうだね。

アジトに戻るんなら早い方が良い。

こっから遠いしね」


「すぐ着ける方法がありますが」


「参考までに聞こう」


「コレです」


空中で具現化した薬を見せる。


「あ、それって」


「Bランクの空間転移剤です。

服用すると、特定の場所に1度だけ移動することが出来ます。

要するに瞬間移動が出来るようになる薬ですね」


「複数で行けるか？」


「その人に触れてさえいれば」


「じゃあ俺が飲むよ。

何をイメージしたら良いの？場所？」


「このランクでは…人物ですね。

その人の居る場所に移動します」


「分かった。

じゃあソレ俺にくれる？」


「どうぞ」


薬の入った瓶をシャルに渡す。


「魔薬師のお手並み拝見だな」


「ン…無味無臭なんだね」


「ええ。

ソレは超即効性ですので、もう移動出来る筈ですよ」