第5章 ちょっとだけ縮んだ距離
「なんか最近お前ら近くね?ちょっと気持ち悪い」
失礼だな…まあおそ松兄さんだから仕方ないか
あれからずっとカラ松兄さんがくっついてくる、監視されてるみたい
でも近くにいられるからか知らないけど自傷衝動はおきてない、腕は痺れたまま治る気配は今のところない。刃物は全部隠されたからもし切りたくなったらどうしたらいいんだろう?引っ掻く?爪で抉る?
「一松ー?無視すんなよー」
べたべたすんなカラ松に睨まれるだろ
「別に、無視なんかしてないし」
「してたじゃん!もういいお兄ちゃん競馬行ってくる!!」
うるさいのがいなくなった
あ、今2人きりだ、どんな顔してんだろ?…鏡なんか見てやがる、クソが、俺を見ろよ
「こ、こら、鏡を返せ一松」
やだね、毎日毎日自分の顔なんか見やがって、飽きないのかよバカなの?あああ、散歩いきたい
「一松?」
「散歩、付き合ってよ」
立ち上がって玄関に行くとチョロ松兄さんがいた
「あれ、珍しいね、一緒に出掛けんの?」
「ん」
先に出て歩いてれば小走りで近づいてきた
あんなことがあったのにかっこいいなんて思う俺は相当狂ってるんじゃないかな、はぁ、今日はどこまで歩こうかな…久しぶりに橋渡って隣ぶらぶらしようか…手、繋ぎたいな。でもそうしたらカラ松兄さんが汚れちゃう
「…」
「一松?」
…こっち見んなし
今日はため息が出るくらい天気がいい、すごく眩しい
なんて考えたら急に手を掴まれた
どうかしたんだろうか
「手、動いてるけどどうかしたか?まだ痛いとか?」
余計なことを…にやけるからマジやめて、喜んじゃうよ?いいの?よくないからね
「顔真っ赤だぞ?」
…はぁ鈍感、バカ、ナルシスト殴りたいよお前の笑顔
でも
「もう少し…このままが、いい」
クソっ、こんなのキャラじゃねーし言わせんな!
なんでお前まで赤くなってんだクソ松ぅぅう
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