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第11章 アカシックレコード


"ピピピピピ"

目覚まし時計が鳴り響く。
私は目覚まし時計を止めると、

眠たい目をこすりながら
ベットから体を起こす。

ひんやりと冷たい空気に
体がぶるっと震えた。

顔を洗い目を覚ますと、
私は気合を入れてクッキーを作り出す。

お母さんが嬉しそうに
「彼氏?彼氏?」と聞いてくる。

「もー、うるさいなぁー。」
私もそう言いながらも
自分が笑っている事に気がついた。

ふと、
"幸せ"だなって思った。

昨日、陽くんが言っていたように
私達はまだ出会って1週間も経っていない。

でも、何故だろう。

私は優月さんも陽くんも大好きで、
これからもずっと一緒に居たいと思っている。

このゲームがなかったらきっと
私達は

"出会わなかった"のかもしれない。


あの日、ゲームにログインしなかったら
"関わらなかった"のかもしれない…。

そう思うと、
なんだかこの関係が貴重な気がした。

「…出来たっ!」

私は出来上がったクッキーをラッピングし、
カバンにいれると、

バタバタと玄関に向かった。

「いってきます!」

私はドアを開けると
学校へと走りだした。

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