第1章 序章〜指令〜
『…ザッ-、ザザッ…応答せよ。こちら本部。コードNo.96聞こえてる?』
僕の左耳にある、独立式小型イヤホンに、本部から連絡が入った。
「こちらNo.96。ちゃんと聞こえてますよ。…新たなお仕事ですか?」
本部からの連絡と言う事は、決まって1つしかない。
つまりは、そう言う事ですかね。
『えぇ、新しい仕事よ。』
他のメンバーには出来ない、難易度の高い潜入ミッションが入ったと言う合図。
「…解りました。ミッションの内容の説明をお願いします。」
僕はついさっき買ってきたバニラシェイクを口に含みながら、次の言葉を待っていた。
次の言葉次第で、成功率がキッパリ分かれてしまう。
僕は心の中で、あの人達の名前が出ない事を祈っていた。
『…あぁ…えっと…うーん…。』
正直、嫌な予感しかしないですね。