第3章 悲しい過去
「…それにしても、凄く綺麗な海だなぁ」
私はあのバカな……いや、テンションの高い二人が走っていった海を眺める。
水は透き通っていて、ゴミ一つないこの海は初めて見たような美しいもので。
レン「そうかい? …レディに喜んでもらえて嬉しいよ」
真斗「むっ、俺の別荘もなかなか良いものなのだぞ。こんなところより、ずっとな」
レン「! その言い方は気にくわないな、聖川真斗!」
聖川は聖川財閥の嫡男、神宮寺は神宮寺財閥の三男ということで家同士がライバル。
そんなこともあり、聖川と神宮寺は仲が悪いのだ。
林檎「んも~、二人ともケンカしないのっ!
せっかくの海なのよ~。おもいっきり楽しましょうよ~!」
今日も女装をしている林檎先生が、可愛い水着姿になって海へと駆け出していく。
「……林檎先生まで 、かぁ…」
藍「はぁ、全く。遊んでいる暇があるなら練習すれば良いのに。……ボクは別荘に戻るよ」
トキヤ「私も戻らせてもらいます」
……そうして何人かはこの場所からいなくなった。
翔「…まぁ、遊ぼうぜっ!練習は午後からでもいいだろ!」
ということで残された私達はしばらく海で遊んでいた。
ビーチバレーをしたり、海の水をかけあったり……。
楽しい時間を過ごすことが出来た。
だから、なのかな。
楽しいメロディがたくさん心に浮かんできたんだ。
(……! ……このメロディ、ユニットソングの方に使えそうだなぁ… )
メモをしたくてもここは海なのでそんなものは持っていなかった。
「…ちょっと戻るね!」
私は皆に一言残し、その場を離れた。